ダイビング安全対策基準

ダイビング安全対策基準

BSTJの加盟ショップの安全対策レベル向上を図ることを目的とする。
BSTJの加盟ショップは、このガイドラインを逸脱しない範囲でダイビングオペレーションを行う。

各指導団体やそれぞれのショップで定めた基準がある場合は、これと照らし合わせ、より安全だと思われる方を選択する。

海況判断に自信が持てない場合、不慣れなコンディションで心配な場合は、他店のスタッフであっても気軽に相談でき、相談された側も惜しみなく安全のノウハウを伝えていく。

第一項 一般
1.ダイビング活動に関する責任
BSTJ加盟ショップが行うダイビング活動は、商業目的であれ、プライベートであれ、安全第一でダイビング活動を行う。

2.保険
BSTJ加盟ショップは、ダイビング保険に加入することを奨励する。また、ボート乗船時や自動車事故などもカバーしているか、確認しておく。

3.書式とログ記録・その他
A.全てのダイビング活動前に参加者に書類を記入してもらう。
参加者情報と免責同意書を兼ねたものが一般的である。書式には、最低限以下の内容を含めることを推奨する。
・ 本人の住所・連絡先・年齢・緊急連絡先
・ 健康状態のチェック(循環器系・呼吸器系・耳鼻咽喉系の項目を含む)
・ 免責同意書・了解事項
・ 健康状態に不備のある参加者には、医師の診断書を持参してもらう
・ 未成年者は、保護者の同意書

B. 全てのダイビング活動前には充分なブリーフィングを行なう。これから行うダイビング活動の流れをダイバーに確実に理解してもらうことが重要である。ブリーフィングには以下の内容を盛り込む事を推奨する。
・ ポイント名と概況説明(地形や海流の説明)
・ 予定潜水時間と最大水深
・ エントリー方法(ビーチから/バックロール/水面脱着)
・ エントリー時の集合場所(水面/水中)
・ 潜降方法(フリー潜降/潜降ロープ使用)
・ 残圧がいくつになったらガイドに申告するか
・ ハンドシグナルの確認
・ 水中ではぐれた時の対処方法
・ 危険な水中生物の説明

第二項 ダイビング活動
1.全てのダイビング活動で守るべきガイドライン
A. ダイビング計画は余裕のあるものにする。残圧に充分ゆとりを持った計画を立てる。
B. 引率するグループは、最もスキルが低いダイバーに合わせて計画を立てる。
C. BSTJ加盟ショップは、安全にダイビングができるポイントを選択する。

2.体験ダイビングに関するガイドライン
A. 体験ダイビングでは、インストラクターと参加者の比率は、各潜水団体の基準に基づき無理のない範囲にとどめる。
B. 何度も体験ダイビングを経験した参加者であっても、これを認定ダイバーと同等として判断するべきではない。

各潜水団体の基準に基づき、ダイビングを行うよう努める。

3.ライセンス講習に関するガイドライン
A. 各指導団体のコース開催基準を遵守し、参加者にはコースすべての知識、技術を確実にマスターさせた上で、認定すべきである。未修得、未達成の参加者に対して、何らかの条件付で特別に認定を行なうべきでない。

4.ファンダイビングに関するガイドライン
A. ガイドとダイバーの比率は、各潜水団体の基準に基づき無理のない範囲にとどめる。
B. ショップツアーなどの場合、引率のスタッフをお客様の人数に含めるかどうかは、各ショップの判断に委ねるが、認定アシスントとしてみなすべきではない。
C. 参加するダイバーが初心者・ブランクがある場合にはチェックダイブを行い、スキルを確かめてからダイビングを行なうことを推奨する。
D. 申し込みの際には、必ずCカードとログブックを確認する。Cカードやログブックを持参しないなど、認定の確認がとれないダイバーの場合は、認定ショップ、インストラクターの確認をとるなど何らかの確認をする。
E. ブランクダイバーの場合は、チェックダイブを奨励する(チェックダイブの方法、内容は各ショップに任せる)。
F. 以下の場合、中・上級ポイントでのダイビングは行うべきではない。
・初心者
・初日1ダイブ目

5.シュノーケリングに関するガイドライン
A. ガイドと参加者の比率は、無理のない程度とする。参加者の年齢や体力、コンディション等に応じて適切なガイド数を確保する。
B. 浮力や体の保護・保温のためにシュノーケリング時には、ウェットスーツを推奨する。
C. 参加者の浮力を確保する為に、レスキューチューブ、救命浮環、ライフジャケット等の準備を怠らない。
D. 参加者の様子をこまめに観察し、コミュニケーションをとる。
E. 泳力・体力・年齢・経験等を考慮し、グループ管理に配慮する。
F. シュノーケリングポイントの特性(危険箇所、潮位・潮流・風浪の影響など)、危険な海洋生物など説明する。
G. 水中生物への餌付け行為は、動物の健康を害し、生態系のバランスを崩し、また、水質の汚染なども招くために、これを行わない。

6.海況を判断する情報
A.安全なオペレーションを行うために天候や海況の情報に気を配る。最新の情報を収集し、コンディション評価に役立てる。
B. コンディションがダイビングに不適応な時には、即時オペレーションを中止する。状況判断となる情報は、各会員に伝達し、共有する。
C. 二重事故を避けるために、悪天候時にはレスキュー活動が行えないことがある。無理なダイビングは非常に大きなリスクを背負うので、くれぐれも慎む。

7.レンタル器材の関するガイドライン
A. レンタル器材は、日頃から充分なメンテナンスを行い、良好な状態を保つ。
B. 貸し出す直前には、スタッフにより全ての器材の作動確認をする。
C. レンタルのレギュレーターには予備空気源、残圧計を必ず装備する。
D. タンク及びコンプレッサーには、法的な規制があるものがある。個々の取り扱いのルールを厳守する。

8.ガイドに関して
A. 常に安全スキルのレベルアップに努め、CPRやレスキュートレーニングなどの講習や訓練を定期的に受ける。
B. ガイドは心身ともに万全の体調で業務にあたる。
C. インストラクター・ガイドは、万全な装備で業務に当たる。

第三項 ボート関係のガイドライン
1.一般
A. アンカーリングの際には、水面下のダイバーの安全に留意し、同時にサンゴなどの水中環境の破壊を行わないように注意する。
B. ボートダイビングに関するブリーフィングは、以下の内容を盛り込む。
・ エントリー・エキジットの方法と場所
・ 禁止事項の説明
・ 流されたときの緊急手順
C. 法律で定める船舶の必要備品に加え、ダイビング用として、次の備品を常備を推奨する。
・ 酸素吸入器を含むファーストエイドキット
・ カレントライン
D. ボートダイブ(特にヌサペニダ)の場合、各自シグナルフロートを携帯する。

第四項 事故と安全に関するガイドライン 
1.救助と協力
A. 万一、事故が発生した場合には、まず、二重事故の防止に努める。そして、速やかに救助・協力にあたる。
B. 事態を最悪のものとしないために、他店のショップにもすぐに手助けを求める。居合わせたスタッフは、惜しみなく協力をする。
C. 酸素吸入器の取り扱い、CPR・ファーストエイドについて、日頃から練習し、万一の場合に正確な手順で行えるように準備をしておく。
D. オペレーションするガイドは、以下のセイフティグッズを携行することが望ましい。
・ シグナルフロート
・ シグナルホーン/ホイッスル
・ ストロボライト
・ ミラー
・ 救急箱(例)
【器具】 体温計、はさみ、ピンセット、ナイフ、毛抜き、爪切り、ポケットマスク、マウスシールド【資材】 包帯(伸縮・ネット)、滅菌ガーゼ、救急絆創膏(防水タイプ)、三角巾、脱脂綿・ガーゼ・綿棒【薬品】 消毒液、洗浄綿、抗生物質(化膿止め)、痒み止め、抗ヒスタミン、鎮痛剤、解熱剤、整腸剤、消化剤、酔い止め薬【その他】 目薬、瞬間冷却剤、冷湿布、食酢、ホッカイロ【支援資材】 ラテックス手袋、意識確認シート、薬用石鹸、安全ピン、ペンライト、ライターレスキューシート、筆記具、緊急連絡先一覧、ファーストエイドマニュアル

作成日:03Nov2015